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『個人的事情』としてのさまざまな運動

「運動」にもいろいろありまして…

運動にはいろいろあります

一口に「運動」といっても、様々なタイプに分かれます。「オリンピックに代表されるアスリートによって行われる、競技としてのスポーツ」、「専門家ではないがかなり気合を入れて行う、学生や社会人のクラブ活動、フルマラソンやトライアスロン、ボディビルディング」、「健康のために行うジョギングやジム通い」、などが挙げられます。また、「疾病やけがからの回復過程で行うリハビリ」も代表的な運動のひとつです。このうち、競技としてのスポーツは、種目によって非常に細分化されるわけですから、そのトレーニングや栄養補給のあり方を一般的に述べることは困難です。

そこで当ブログでは、健康、とりわけ「生活習慣病やメタボリックシンドロームとのかかわりにおける運動」、ということについて考えてみたいと思います。また、運動をするということには、気分を爽快にし楽しみを感じる、といった精神的なメリットも見逃せませんが、ここではもっぱら肥満との関係に重点をおいて考えてみたいと思います。

「太っている」ということと「運動」の関係について

今年の1月、私は仕事の一環として約950人の主婦の方に対して、ちょっとしたアンケート調査を行いました。アンケートの中で、「自分のご主人が、太っている(全体的に・お腹だけも含む)」と回答した人が約50%、また、「結婚した頃と比べて太っている」と回答した人は65%と出ました。結果として、多くの主婦の方が自分のご主人が太っているか、太り気味である、と認識されています。

しかし、今回のアンケートで興味深かったことは、一連の質問の中で70%の方が、ご主人が太っている理由として「運動不足」を挙げていたことです。逆に、肥満防止策として「適度な運動」を挙げた方は28%しかありませんでした。以上の結果を踏まえて、いくつかのことを考えてみました。

まず最初に、太っている原因を「運動不足」に求めることは、はたして正しい認識なのか、という疑問が浮かびました。その次に、自分自身の運動不足を認めることと、実際に運動を実行することは別の問題なのではないか、とも考えました。またさらに、ほとんどの人は「運動」というと、ジム通いやジョギング、ウォーキング、また、野球やテニスなどの一般的なスポーツを連想しがちで、「それらをしていないから運動不足なのだ」、と思い込んでいる可能性があります。また、ジョギングとダンベル体操の違いを認識している方は非常に少ないのではないかと思います。

正論としての理論は知っておいたほうがいいのですが

肥満解消のための運動として一般的によく知られているものは、ジョギングなどで20分以上の有酸素運動を行うこと、1日1万歩以上を歩くこと、などが挙げられます。これらの運動の効果については、理論的に裏打ちされていますし、またエビデンスもあります。肥満解消には、そのような「運動の効果」を理解したうえで、運動を計画し実践するということが最良の策だと思われます。

しかし、その計画を実際に実行できるかどうか、ということが問題であることについては見過ごされがちです。計画を実行可能にするには、運動のための時間をきちんと確保し、運動を継続させる意志を持てるか、について考えてみる必要があると思います。仕事の一線を退き時間が十分あり、健康診断の結果が要注意と判断された人ならば、一念発起、運動に取り組むことである程度の成功も見込まれるでしょう。

しかし、そういうケースの人でも、80歳を超えるような高齢者の方々が継続的に運動することが可能かというと、なかなかむずかしいものがあります。また、40-50代の働き盛りの世代にとって、いちばんの障害となるのは時間を確保することでしょう。少なくとも私はそうです。

もちろん、「ヤル気しだいでなんとかなる、できないという人はヤル気がないのだ」という主張も、正論だと思います。しかし、現在の状態を考え、様々なファクターについて検討した上で、実行可能で効果もあがる方法を計画しなければ、結局ことは成就しないでしょう。

「模範的な運動計画」は、まず団塊の世代のために

前回、実行可能な運動計画が必要であることについてお話しましたが、ここでもう一度ポイントを整理します。

メタボリックシンドローム(生活習慣病)対策としての健康運動を実行できる、時間と動機を持ちえるのは、定年引退後比較的時間に余裕があり、かつ現実に内臓脂肪型肥満・高脂血症・高血圧・高血糖などの危険因子を持ってしまった人々です。言い換えれば、これからの人生をよりよく迎えるために、それらのリスクを軽減するという、それなりに切実な動機をもった人々であるといえます。特にこれから続々と定年を迎える団塊の世代の人々にとって、重要なポイントになると思われます。ぜひ正しい効果が期待できる健康運動を計画し、実行して頂きたいと思います。

しかし、現役引退前あるいは働き盛りにある40-50代の人々にとっては、そもそも健康運動をする時間そのものが不足していること、健康リスクに対する意識が低いなどの点から、せっかくの健康運動プログラムでも、「わかってはいるけど、やっていられない」ものに終わる可能性が高いといえます。また、70歳80歳を超えた多くの方にとっても、理想的な健康運動を継続的に行うことは体力的に難しいでしょう。ですから、それら中年現役世代と、高齢世代には別の提案が必要になってきます。

(2006年4月)

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85歳の現役スーパーランナーに脱帽!

ランナー失格!

私は学生時代、運動クラブのレベルの低い部員でした。運動そのものは好きでしたが、長距離を走るのは苦手で、走った経験といえば、20代の頃に非公式なハーフマラソンのような会に参加したのが唯一という体たらくです。それでもその後は右足のじん帯部分が痛くなり回復するまでに1週間ほどかかったのを覚えています。フルマラソンは一度走ってみたいと思っていますが、一念発起で入念な準備をしなければならないでしょう。

フルマラソンランキングという興味深い資料

こんなつまらない私的な話をはじめたのも、つい先ごろフルマラソンランキング 2006.4-2007.3 (ランナーズ社刊)という冊子を参照する機会があったからです。それは2006年4月から日本陸連公認コースを使用する対象大会における完走記録集でした。合計で、13万6456人の参加者が申告した記録(複数大会参加者は最も記録のよかったケースとして集計するため、記録数10万3590件)が年齢1年刻みでリストアップされています。男性の記録申告者数85981人に対し、女性は17609人でした。83パーセントが男性ですが、女性の総数とこんなに差があるとはちょっと意外でした。

驚くべき市民の走破記録

この冊子を見て驚いたことはいろいろありました。例えば私と同じ年齢(49歳)の男性の第一位が2時間39分9秒、女性が3時間3分6秒だったと知ったことは衝撃でした。100位でも3時間12分49秒(男子)、4時間11分23秒(女子)です。もっと驚いたのは、64歳男子第1位の人の記録で、2時間53分05秒。これは、この64歳の人が49歳の部に混じっても堂々12位という記録です。女性では66歳1位の人に3時間49分54秒という記録があります。70歳で完走者が20名、4時間台の人が5人。これはすごい!

85歳のスーパーランナー!

極めつけは85歳男性の完走者が2人おられたことで、1位の人は何と4時間59分34秒という快挙です。女性の最高齢は81歳で5時間58分22秒。これにも完全脱帽(20代の私の体力など足下にも及ばない)。しかし、特にテレビのニュースなどになっていないことからして、こういうことは毎年特に珍しい現象ではないということなのでしょう。その、騒がれないということがまた驚きでした。基礎代謝がどうの、栄養バランスが何のと机の前で理屈を捏ねている49歳の私などとは違い、フルマラソンを2時間半そこそこで走る49歳の人にとっては、まだランナーとして現役真っ最中というような意識であるにちがいありません。また、通常バリアフリーだのリハビリだのという世界に暮らすものとばかり思われている85歳の人がフルマラソンを完走するのみならず、5時間を切るなどということ、そしてその人たちが有名人でもないということ、これら事実の逐一が私にとっては大きな驚きでした。

人間の身体のもつすばらしい潜在能力

このような驚きの中で考えたことは、人間の身体のもつ潜在能力のたくましさということでした。もちろんこのような記録に名を残す人たちはアマチュアとはいえ、恵まれた超人的なパワーの持ち主には違いありませんが、ヤル気をもって努力をすればそれなりに身体は働いてくれるものだということだろうとも思われます。またこういう超弩級に見える人々もすべて市民ランナーであり、本来特別な人(有名人)ではなく、しかもかなりの人口として存在するということもすばらしいことに思われます。こういう人たちの食生活やライフスタイルについて研究してみたい気がします。きっと驚くべき発見が相次ぐでしょう。

(2007年6月〜7月)

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